第2回 天の鏡(後篇)
でも次郎さは、あくる朝 暗がりに一人で山奥へ出かけた。おかかと息子たちは心配して、槍、鎌、なたを持って、次郎さの後をつけた。 次郎さが昨日の崖の下に着いて見上げると、鏡が光っておった。「おお、あったあった。誰にも取られんでよかった」、次郎さは崖をよじ登り始めた。おかかたちは、はらはらして見ておった。 次郎さが鏡に手を伸ばしたと思ったら、「ギャッ」と言って、まっさかさまに落ちた。おかかたちはびっくり仰天(※4 )。走り寄って見ると、次郎さはたくさんの糸にぐるぐる巻きになって、もだえ苦しんでおった。そこにでっかいでっかい(※5 )蜘蛛が付いておった。 びっくりしたおかかたちは、槍と鎌となたで切ったり突いたりして、蜘蛛を殺した。そして次郎さをぼっぽ(※6 )して家へ帰りました。 ばけ蜘蛛は、畳一枚ほどもあったそうな。たたり(※7 )を恐れて火で燃やし、その灰を大きな穴を掘って埋めたそうな。
−おしまい−
※4 仰天・・・・非常に驚くこと ※5 でっかい・・大きい ※6 ぼっぽ・・・おんぶすること ※7 たたり・・・わざわい、悪いむくい
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紙芝居『天の鏡』 作・ひまわりグループ
紙芝居『天の鏡』 作・ひまわりグループ
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