第48回 火ぶせ石(1/2話)

みなさんは南砺市福光(西町)の中ほどにある火ぶせ石を見たことがありますか。石が3個積んであり、しめ縄がしてあります。 今から二百年ほど前、新町のお寺(願全寺)の近くに宗左衛門という人が住んでいました。 よく晴れたある日のお午時のこと、宗左衛門さんの家の前で、子どもたちが遊んでいました。 「あれー煙が出ているぞー」、「あっ、本当だ。火事じゃ、火事じゃぞー」 子どもたちが煙を見つけ、すぐに近くにいる大人に報せました。 「大変だ!宗左衛門さんの家が火事だ」、「水だ、水をかけるんだ!」 みんなで桶に水を汲み、宗左衛門さんの家に一生懸命水をかけましたが、とても強い風が吹いていて、隣の家や向かいの家にも火が飛んで、火事が広がっていきました。 火消しの人たちは、力を合わせて火を消そうとしましたが、火はどんどん大きくなり、味噌屋町、本町、荒町を焼き、西町へも火が飛びました。 「おーい、こっちの家にも、水をかけるんだ」 火消しの人たちは、燃えている家はもちろんのこと、燃えていない家にも水をかけ、燃えないように守りました。 「おーい見ろ、少しずつ火が弱くなっていくぞー」 「あっ、本当だ。みんなー火が弱くなっていくぞ、頑張って水をかけるんだ」 なんと、あんなにすごかった火が少しずつ弱くなってきたのです。町の人たちは、もう一度みんなで力を合わせて火を消そうと頑張りました。そしてとうとう火を消すことができたのです。 −つづく−
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「わぁー、わぁー、こわいよ、こわいよー、おかあちゃんー」
「わぁー、わぁー、こわいよ、こわいよー、おかあちゃんー」
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